マニュアル作成

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マニュアル作成を行うために必要なこととは何があるのでしょうか。業務手順書、いわゆるマニュアルを作成することで業務効率化や生産性向上、新人教育・研修など業務において大きな効果を発揮することができます。本記事では社内向けマニュアルの作り方を段階的にステップごとに解説し、効果的な運用ポイントを紹介します。

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マニュアル作成を行うために必要なこととは何があるのでしょうか。業務手順書、いわゆるマニュアルを作成することで業務効率化や生産性向上、新人教育・研修など業務において大きな効果を発揮することができます。本記事では社内向けマニュアルの作り方を段階的にステップごとに解説し、効果的な運用ポイントを紹介します。

マニュアルの作成方法やツールは何があるの?

 

マニュアルは業務のあらゆる場面で効果を発揮します。もともと初心者に体系的に業務内容や業務手順を理解してもらい、業務効率化を行うためにマニュアルは作成されます。現在ではマニュアルの果たす役割は大きく社員育成や引き継ぎ、新人研修などあらゆる場面で使用されるため、自分たちで社内マニュアルを作成することも欠かせなくなっています。マニュアルの作成方法としてはパソコンを用いて作成し、マニュアルは印刷して利用するなど紙媒体で行うことが一般的でした。しかし、近年ではエクセルやパワーポイントを用いて作成する旧来的な手法ではなく、動画や音声を用いたマニュアル作成ツールやサービスが続々出現しています。 特にインターネットを用いたクラウドマニュアルサービスでは、絶えず効果的なマニュアルを更新しながら利用することができ、大企業から中小企業まで導入している企業が増えています。 

 

マニュアルってそもそもなに?マニュアルについて解説

マニュアルを作成する前にそもそもマニュアルとは何かについて知っておく必要があります。マニュアルは意味としては「ある事柄に関する事項を一冊にまとめたもの。」とされています。普段業務において欠かせないマニュアルですが、その意味や目的を知らずに使っている方も多いのではないでしょうか。ここではマニュアルの意味や目的、手引書・手順書などとの違い、様々な呼ばれ方をしているマニュアルの種類、マニュアルの語源について解説します。

 

マニュアルとは何か?辞書的な意味を解説

マニュアルとは辞書によると「 作業や操作の手順についてまとめたもの。手引き書・取扱(操作)説明書・手順書など。」と定義されています。主に業務において作業の手順を体系的にまとめることを目的として、幅広く活用されています。元々は工場などで定型的な労働の落とし込みとして利用されることが多いですが、現在はコンビニエンスストアやスーパーなどの飲食店、サービス業でも幅広く活用されています。特にサービス業においてはマニュアルの活用用途は幅広いものがあります。例えばクレーム対応などでは、マニュアルに従った手順によって、トラブルに発展せずに解決することができるでしょう。また、このような業務上のマニュアルの他にも、電化製品やPC、スマートフォンの取扱説明書などのように、誰でも操作ができるように操作方法を落とし込んだ手順書もマニュアルと呼ばれています。このようにマニュアルは業務におけるマニュアルの他に、手順書のようなものも含み、現代の生活の上で欠かせないものとなっています。

 

マニュアルの語源とは?誕生の歴史や背景を解説

マニュアルは一体いつ生まれたのでしょうか。一説には1900年代初頭の産業革命期に誕生したとも言われています。この頃イギリスを中心として工業化が急速に進み、工場労働において作業の効率化が求められていくようになりました。アメリカの企業にて作業効率化に取り組んでいたフレデリック・テーラーが、組立工の作業を細かく分類し、体系的にまとめた手順書を作成しました。これにより、熟練工と未熟練工の差を縮小させ、生産性を飛躍的にあげることに成功しました。この手順書こそ、現代のマニュアルの始まりとされています。マニュアルと手順書は一見して異なるもののように感じることもありますが、実は同一のもののことを指します。

このころ発達した工場制手工業は、マニュファクチュア(manufacture)と呼ばれ、産業革命における代表的な生産形態となりました。ラテン語でmanusは手を意味し、マニュアル(manual)の語源になったとも言われています。マニュアルの類語として手引き、取扱説明書、教則本、解説書など様々な言い換えがありますが、語源が示す通り、扱うものに差があれど、基本的には同一です。工員が同一の作業を大量にこなす必要があるマニュファクチュアの生産形態では、同一の作業を同質で行うためにマニュアルは重宝され、急速に普及しました。こうして近代では産業の発展とともにマニュアルも普及し、現代まで至ったということです。また、現代ではこのような歴史により発展してきたマニュアルが様々な形で応用されており、色々な種類や媒体で活用されています。

 

マニュアルの種類は何がある?手順書・手引書との違い

マニュアルには様々な種類があります。上述のように業務を落とし込んだ業務手順書をマニュアルと呼ぶこともありますし、家電製品の操作手順書、手引書をマニュアルと呼ぶこともあります。また、機械で自動的に動くものではなく、手で動かすものをマニュアルと呼ぶこともあります。こちらは代表的な事例としてマニュアル車などを思い浮かべることが多いでしょう。いくら現代社会が発達しても完全に自動で動くものは少なく、まだまだ人の手を借りることは多いと思います。しかし、情報化社会においては同一性や同質性が求められることが多いため、機械のような複雑なものを扱うために、手動で行う行為をできる限り同一化させるマニュアルの重要性は非常に高まっていると言えます。例えば、コンピュータを扱う業務では1人1人が異なった操作をしてしまうと、システムのトラブルにつながります。場合によっては大規模な事故に繋がることもあるでしょう。例をあげると2005年に発生したとある証券会社の事故では、発注者が1株61万円と入力するところを誤って、1円61株と入力したことで発生しました。直ちにシステムをストップさせましたが、この間に成立した取引により、証券会社は約400億円の損失を被りました。このようにコンピュータは1つ入力を間違うだけで、人間ではなし得ない大きなミスや影響を与えることがあります。このようなミスを防ぐためには、機械を扱う人間がミスを起こさないように、慎重に操作する必要があります。また、ミスが発生した後にどうすれば最も損失を最小限にできるかといった視点も重要です。このような知見をマニュアルに落とし込んでおけば、損失を最小限に減らすことができます。

マニュアルの活用事例〜サービス業での活用例〜

そして現代では工場や機械を扱う業務以外でも幅広くマニュアルは使われています。特に人間を中心とした対面接客を主とするサービス業においては、マニュアルの重要性は非常に大きいものがあるでしょう。他店舗経営型のチェーン展開するサービス業では、同一で同質のサービスを提供することが、顧客満足度の観点から非常に重要です。また、今までの店舗運営で蓄積された良い接客手法をマニュアルにすることで、サービスの質を担保し、同質で高質なサービスを提供することが可能となります。このようにマニュアルは損失を減らすだけでなく、利益を最大にする役割も伴っており、過去の経験および事実に基づく、最大効率化したノウハウの蓄積といった機能を有しております。このマニュアルを有効に活用することで、目的を達成するために最小の努力で最大の効果を発揮することができ、まさに人類の叡智と言えます。

 

業務マニュアルはなぜ必要なのか?作成する目的とは

製造業にしてもサービス業にしても、いわゆる「一品モノ」(特注品)を作ったり、特別なお客様をもてなししたりするときには、業務マニュアルは必要ありません。なぜならば、あくまでその仕事が一回限りのものであれば、ある作業・工程を行うのも一回限りであり、多くの人にその作業・工程のやり方を示すマニュアルを作る必要がないからです。
しかし、製造業にしてもサービス業にしても、顧客のすそ野が拡大していくにつれて大量にモノを生産し、多くのお客様へのサービスを均一に提供しなくてはいけなくなりました。このような状況では、多数の社員が、同じ作業・工程を正確かつ効率的にこなせることが必要になってきます。社員の間で仕事の進め方に違いがあったり、できあがったもののクオリティに差があれば、その会社の製品・サービスのクオリティの信用問題にかかわります。そのため、従業員が誰であるかを問わず、サービス品質を一定にするために、作業・工程を標準化する必要が生じました。
ここに、「業務マニュアル」が生まれたのです。
業務マニュアルは、外部部門だけでなく総務部門や人事部門でも用いられます。
時代を経るごとに、年金や健康保険、失業保険といった社会保障関係手続は煩雑さを増し、労働規制の強化に伴って、労務関係の事務も作業量を増しきました。これらにミスがあった場合や、作業自体を怠っていた場合には、行政からの指導や罰則を受けて受けることになり、会社の評判を落とすことになります。そこで、人事・総務部門の役所との手続に漏れを生じさせないために、やはり業務マニュアルが必要になってきました。
会計管理についても、税務署に正確な会計データを報告する必要上、詳細な業務マニュアルが作成されてきました。

マニュアルの現状とは?マニュアルサービス会社を紹介

現代ではマニュアルは様々な場所で様々な形で活用されています。紙のマニュアルは今でも一般的に活用されていますが、その他にも様々な媒体のマニュアルが登場しています。音やDVDなどの映像によるマニュアルは90年代に登場しました。しかし、紙のマニュアルに比較して高価であったり、持ち運びに難があり、利便性が高いものでは決してなかったため、一般的に広く普及することはありませんでした。しかし、インターネットの発達によりeラーニングが発達するとともに、業務における映像を使った配信型のマニュアルの需要も高まっていきました。 特にインターネットを用いたクラウドマニュアルサービスでは、絶えず効果的なマニュアルを更新しながら利用することができ、大企業から中小企業まで導入している企業が増えています。 「ClipLine」は動画を活用し、クラウド上に動画マニュアルを置くことで、インターネットを介して双方向的にやり取りができるマニュアルツールです。現場と本部をつなぎ、遠隔マネジメントを可能とし、サービスの向上にも繋がるため、もはや単なるマニュアルとは言えませんが、サービス業を中心に導入する企業が増えています。

このように動画やeラーニングを活用してマニュアルは飛躍的な進化を遂げています。紙のマニュアルにも良さはありますが、目的や用途に合わせて、様々なマニュアルを検討し、活用していくのが現代のマニュアル活用術と言えそうです。

マニュアルの作成に必要なものとは?見やすいマニュアル作成に必要なこと

マニュアルは以上のように様々な形で現代社会に取り入れられていますが、実際にマニュアルを活用するにはそれぞれの用途にあったマニュアル作りが求められます。目的に沿って適切でなマニュアルを作成するため、マニュアル作成の手法を学ぶ必要があり、より見やすい、わかりやすいマニュアル作りを行いましょう。上述の通り、現代ではマニュアルと一口で言っても様々な形、用途があり、まずはこちらを整理する必要があるでしょう。取扱説明書のような機材の使い方をマニュアルに落とし込みたい場合は、機械に精通しておく必要がありますし、日常の動作を伴う業務をマニュアルにするためには、業務の現場を知っておく必要があります。

マニュアルと一言で言っても様々な違いや利用法があることがわかったと思います。また、普段何気ない行為もマニュアルに落とし込むことで、より効果的になることもあるでしょう。マニュアルについてより深く学ぶことで、業務効率や日常の生活の質をあげることができます。見やすいマニュアルを作るにはマニュアルについてより深く学び、マニュアル作成に生かすことが必要です。

業務マニュアルの作成手順とマニュアルの作り方のコツを徹底解説!

では、効果的でわかりやすいマニュアルを作成するにはどのような方法があるでしょうか 。様々な方法論がありますが一番わかりやすい業務マニュアルを作成するには以下のような手順を取るのが一般的です。


マニュアル作成の手順

  1. マニュアルを作成する目的を把握しておく

  2. マニュアルにする業務の範囲を決める

  3. マニュアルにする事項を洗い出し、キーワードマップにて体系化する

  4. マニュアルを作成するツールや方法を決め、実際にマニュアルに落とし込む

  5. マニュアルが完成したらできるだけすぐに使用し、常に改善させていく


1「マニュアルを作成する目的を把握しておく」ですが、マニュアルを作成すると言っても目的は様々です。本来のマニュアルの目的は作業を把握していない人に対して体系的に業務内容を理解させることです。しかし、現在はマニュアルのカバー範囲は広く、単なる業務効率化だけではなく、生産性向上や会社全体の利益に直結するような業務改善を行うために、作成する企業も続々と増えています。自分たちの会社が一体、なんのためにマニュアルを作成しようとしているのか?を考え、理解した上でしっかりと定義づけしておくことが重要です。マニュアルは手順書・手引書とも言われ、簡単なものであればワードやエクセル、パワーポイントなどのツールですぐに作ることもできます。しかし、業務マニュアルの目的によっては無料のツールではなく、しっかりと予算をとって全社的に行うことも必要となります。 マニュアルを作成する前に自社が一体マニュアルに対してどのような期待をしており、マニュアルの担うべき役割は何かを把握しておきましょう。 

2「マニュアルにする業務の範囲を決める」はマニュアルを作成する上で非常に重要です。マニュアルは体系的にわかりやすく読み手に必要な情報を伝えなければならず、膨大な業務の全てを一度に伝えることはほとんど不可能です。まずは膨大な業務を整理し、業務を行うために必要な情報を取捨選択し、マニュアルを作る上で重要な体系化の作業を行います。マニュアルに必要ではない情報が入ってしまうと一体どの内容を知ることで、作業ができるかが不明確になってしまいます。 一つの作業項目に対して、一つの文章で伝える「1センテンス1フレーズ」の姿勢でマニュアルにするべき業務の範囲を決めていきましょう。 

3「マニュアルにする事項を洗い出し、キーワードマップにて体系化する」は2で行った業務範囲をさらに体系的にまとめ、整理していく作業となります。項目にする範囲を定めたら、実際に一つずつ項目に落としていきます。洗い出しをしていく中で不必要と思われる項目は随時、切り捨てていきます。洗い出した項目は似たような作業や場面ごとにまとめていき、カテゴリーを作っていきましょう。また項目にひもづく小さな作業がある場合は、各々の項目から派生させていきます。この作業を行うことで普段の業務において意識しない作業や言語化されていない動作も可視化され、体系的に業務を整理することができます。ここまで行うとあとは実際のマニュアルを作成するのみとなります。逆にこの作業をうまくできない場合はマニュアル自体の質が損なわれ、目的を達成できないこともあるでしょう。そのためにも必要に応じて順次専門家やマニュアル作成をサポートしてくれるサービスなどを利用することも考えましょう。

4「マニュアルを作成するツールや方法を決め、実際にマニュアルに落とし込む」は実際にマニュアルを作成していく作業となります。 ここでは以下のようなポイントが重要です。

 

  • いつまでに作るマニュアルか(WHEN)

  • 誰に向けたマニュアルか(WHO)

  • なんのためのマニュアルか(WHY・WHAT)

 

まずはマニュアルをいつまでに作らなければならないのか、マニュアル作成のスケジュールを知っておくことが重要です。マニュアルにかけられる時間や予算が限られている場合は準備に時間をかけずにスピーディーに作ることが必要となります。例えば社員の新人研修用の場合は春頃の入社時期に合わせたり、アルバイト向けのマニュアルであれば特に期限を決めずに絶えず更新していくマニュアルを作る必要があります。また、年末商戦用のマニュアルであれば年末の短期間に使うことが想定され、毎年施策などが変わる場合は、じっくりと時間をかけて作る必要がないとも言えるでしょう。このように誰に対してなんの目的で作るかによってもスケジュールは大きく異なるため、この3つのポイントを考えながら、実際にマニュアルを作成する準備を進めていきます。この3つのポイントを定めたなら実際にマニュアルを作ることができるので、しっかりとスケジュール管理をしてマニュアルを作成できるようにしましょう。

さて、ここまで明確にしたら、マニュアルの作成に向けて次に考えるべきは以下のポイントになります。

 

  • どのように作るマニュアルか(HOW・WHERE)

 

マニュアルを作る前提の情報を整理したのち、実際にマニュアルを作成する作業に移ります。マニュアルの作り方と一口で言っても現在では様々な手法・媒体にて作ることが可能です。大きく分けると一般的な紙のマニュアル、DVDなどを用いた映像マニュアル、クラウドサービスを利用した静止画マニュアル、クラウドサービスを利用した静止画・動画・音声などマルチメディアマニュアルなどがあります。紙のマニュアルは古くから用いられていますが、一度作ると更新が難しく、現代のようなスピーディーに業務内容や状況が変わる場合はあまり最適なものとは言い難いです。また、マニュアルを用いる場所を考える必要もあります。キッチンなど水を用いる場所では紙のマニュアルは適さないですし、DVDなどのマニュアルも難しいでしょう。マニュアルは作業を習得することを目的とする場合は、作業場で使うのがもっとも効果的ですので、どのような場所でも使えるマニュアルが望ましいです。クラウドサービス型のマニュアルはスマホやタブレットで閲覧することができ、比較的どのような環境でも使用することが可能です。それぞれの目的に沿ったマニュアル作成方法を選ぶことが重要です。作業によっては言語化するのが難しく、映像の状態で伝えるのがもっとも良いということもあります。その場合は動画でマニュアルサービスを展開するツールを用いるのが最適であると言えるでしょう。いずれにせよ、マニュアルを作る場合には目的に合わせてどのように作るべきかまで考える必要があります。

5「マニュアルが完成したらできるだけすぐに使用し、常に改善させていく」は実際にマニュアルを運用していく場合に必要なフローとなります。マニュアルは作成して終わりではなく、絶えず活用していくこと、更新していくことが重要です。 マニュアルは今まで見えなかった暗黙知を可視化し、形式知化することで全体に共有することで組織の生産性向上に寄与することができるものです。 マニュアルが完成したらなるべく早く全体に共有し、使用してもらいましょう。実際に使用してもらう中でマニュアルの疑問点や必要な情報不足などが露呈し、更新する必要が出てくると思います。マニュアルを実際に使用する社員・アルバイトに活用してもらい、絶えず更新していける体制を築いていることが非常に重要です。

マニュアルはワードやパワーポイントで作ることは可能?

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さて、ここまでの話ではマニュアルを作成するには5W1Hを踏まえて段階的に準備し、作成していくことが重要だと述べました。しかし、スケジュール的に時間がなく、簡易的に作りたい場合はあまり準備にリソースを割くことができないかもしれません。そのような場合にマニュアルをワードやエクセルなどで作ることは可能なのでしょうか。 結論からいうと、ワードやエクセル、パワーポイントを用いてマニュアルを作ることは可能です。 それぞれの役割や性質を踏まえた上で適切なフォーマットを用いて、マニュアルを作成することで十分なクオリティのマニュアルを作ることはできるので、各々の特性をしっかりと把握し、5W1Hを把握した上でマニュアルの作成をしていきましょう。

業務マニュアル(社内向け)の作成手順における注意点とは?マニュアル作成のポイントを解説!

マニュアルの一般的な作成手順は述べましたが、ここでは社内向けの業務マニュアルの作成手順における注意点を説明します。せっかく作ったマニュアルも読み手にしっかりと伝わり、適切に運用されていないと宝の持ち腐れとなってしまいます。しっかりと注意点を把握し、マニュアルを業務効率化や生産性向上に役立てましょう。

読み手を常に意識し、わかりやすく作成する

マニュアルの読み手は一体どのような人たちでしょうか。新入社員なのか、中途入社の社員なのか、アルバイトなのか、外国人なのか、読み手がどのようなタイプ・属性の人たちなのかによって、マニュアルの理解度は大きく異なります。一般的にはマニュアルを用いるのは業務に不慣れな人たちが多く、彼ら・彼女らに理解できるように行き過ぎなぐらいわかりやすく平易な言葉で作成することが重要です。またデザインや色使いを意識し、読み手が飽きないような工夫を行うこともかかせないと言えるでしょう。

1フレーズ1センテンスでできる限りシンプルにする

マニュアルは多くの情報をつぎ込んでしまうと伝えたい情報が不明確となり、あまり読み手に理解されないことが多くなってしまいます。そのためにも マニュアルで伝えたい情報は最大限絞った上で、体系化することが極めて重要です。基本的に1つの作業項目に対して1つの説明で伝えられるようなマニュアルが良いとされています。 常に読み手の立場に立ってわかりやすいマニュアルを作るように心がけましょう。

マニュアルの作成にはテンプレートを活用すべき?無料マニュアルテンプレートを紹介!

マニュアルの作成に大きな予算や時間を割くことのできる企業は限られています。特にマニュアルが必要な会社では課題として新人の即戦力化や生産性向上、採用の悩み、働き方改革、人件費抑制など様々な課題を抱えていることが多く、0からマニュアルを作ることに難色を示す経営者も多いでしょう。しかし、近年はCMなどでも見かけるようにマニュアルサービスは続々と登場し、企業のマニュアル作成に割くリソースを大きく削減しています。このようなマニュアルサービスを適宜活用することでマニュアル作成、マニュアル作りへの負担は大幅に軽減することができます。また、マニュアルサービスを使用しなくとも無料で使えるマニュアルのテンプレートもありますので、まずは自社でマニュアルテンプレートを用いてマニュアル作りを行うのも良いでしょうか。以下にオススメマニュアルテンプレートをご紹介します。


無料で使えるマニュアルテンプレート

  1. ワードで作成する業務マニュアル・運用マニュアル用テンプレートの紹介

  2. マニュアルのテンプレート・雛形・文例・フォーマット・サンプル

  3. Office テンプレートとテーマ

  4. パワーポイントの品質と生産性を向上させるデザイン・テンプレート

  5. 経費削減実行委員会


このようなテンプレートを用いてぜひ自社でマニュアル作りをしてみてください。一方でこのようなマニュアルテンプレートを用いてもなかなかマニュアル作成を自社で行えない、有効活用できないなどの問題は発生します。そのような場合は闇雲にマニュアル作成を行う人員を増やしたり、自社で無料の範囲で行うことはあまり推奨しません。近年はマニュアルサービスを提供する会社が増えており、有料のサービスではあるものの大きな効果を発揮しているサービスもあります。以下に最近企業への導入が進んでいるマニュアルサービスをご紹介します。

 

マニュアルサービスとは何か?無料で使える?マニュアル作成ツールの比較や料金、機能を解説!

会社の業務を行うためのマニュアルが未整備であったり陳腐化していたりするために、使えなくなってしまっていることがあります。非定型業務であればともかく、日常的に発生する定型業務であれば、マニュアルを整備してマニュアル通りに対応するほうが、教育コストも低下し、トラブルの発生リスクも減るでしょう。
一方で特に日本人は臨機応変にマニュアルがなくとも仕事をこなしてしまう傾向があるために、マニュアルの必要性がなかなか認識されず、マニュアルの整備もおざなりのままになる傾向があります。
そんなマニュアル不在に業務が回ってしまっている現状に対して、 適切にマニュアルを作成し・展開し・蓄積することを支援する一連のサービスをマニュアルサービスといいます。 

 

一般に、アメリカやフィリピンでは定型業務をマニュアル化して、マニュアルから逸脱した行動を罰し、マニュアル通りに作業させるようにします。
しかし、日本では、マニュアルがないケースや、マニュアルがあったとしてもきちんと運用されていないケースが多々見られました。従業員には「その場の状況に応じた臨機応変な対応」を求める傾向があり、かつそれに応えられるだけの優秀な労働力の確保ができていました。
しかし、日本でも対人サービス業を中心に、外国人労働者や、在職年数の短い非正規労働者の被用者全体に占める割合が高まりました。結果として、いわゆる従来のような「あ・うん」の呼吸での業務の切り回しは困難になってきています。
とはいえ、マニュアル整備という取り組みは「必要であるが、緊急でない」タスクに分類される場合が多く、あまり積極的な取り組まれてきませんでした。
そのため、日本の現場は、タスクをマニュアル化することにあまり慣れていません。
仮に紙ベースでマニュアルを作成したとしても、それを実際に作業に当たる人がきちんと読んでくれるかどうかは、また別の問題です。忙しい業務の最中に、紙ベースのマニュアルを片手に作業を行う、という状況はおよそ現実的ではありません。

マニュアルサービスは、このような現状を踏まえ、企業のマニュアル作成・展開・蓄積を支援しようとするものです。もちろんマニュアル作成ツールの中には無料で使えるものや動画を利用したものなど様々なものがあります。
また、マニュアルサービスは、単にソフトウェアを提供するだけでなく、ソフトウェアの利活用のためのコンサルティングサービスを伴うこともあります。このように様々なマニュアルサービス・マニュアル作成ツールが存在するため、しっかりと比較した上で導入を検討するとよいでしょう。

 

2019年最新マニュアルサービス機能別一覧!マニュアル作成ツールの価格や機能を比較!動画マニュアルサービスも!

マニュアルサービスには、おおむねマニュアル作成の支援を重視しているサービスと、マニュアル作成支援にとどまらず、マニュアルの書き手とマニュアルの読み手とのインタラクションまでをも支援しているサービスとに大別できます。

マニュアル作成自体の支援に力を入れているサービスとして、i-Shareがあります。業務マニュアル作成歴30年以上のクイックス社が展開するクラウドサービスで、マニュアル作成に適したユーザインターフェイス、ドキュメントの多言語翻訳対応、画像・動画を含む多様なフォーマットへの出力を可能にするなどの特徴があります。

また、業務マニュアルの編集を簡単に行えることをコンセプトとしたMastree(マストリー)は、画像・動画等のリッチコンテンツを含んだ自社オリジナルのマニュアル編集を行うためのソフトウェアです。基本操作をドラッグ&ドロップに統一することで、直感的なマニュアル作成操作を可能にし、動画編集ソフトや静止画加工ソフトも付属しているのが特徴です。

最近では、クラウド化やモバイル機器の活用が進んでいる中で、マニュアル作成者とマニュアルの読み手とのインタラクションまでを支援しているマニュアルサービスが主流になっており、各社とも様々な特色を打ち出したサービスを展開しています。

 

サービス名 特徴 料金
iTutor マニュアル作成の効率化、RPAシナリオ作成の支援など 問い合わせ
Dojo マニュアル作成、eラーニング バージョンによって異なる
ClipLine マニュアル作成、eラーニング 問い合わせ

 

ClipLineは、多店舗ビジネスを営む企業をターゲットとしています。文章では伝えきれない情報やノウハウを単尺動画(クリップ)として蓄積させ、これを各店舗の従業員に端末で視聴してもらい、場合によっては従業員が自身の動作を撮影して本社側からのフィードバックを受けることによって、効率的に全国の店舗のサービスレベルを向上させることを狙っています。 導入支援・流動期支援・活用支援といったコンサルティング業務も合わせて行っており、自社ソフトウェアをいかに活用するか、というノウハウの提供にも積極的なようです。 

AiLingualは、大規模な多国籍企業を念頭において、作成したマニュアルの多言語化や、マニュアルの統合管理機能に力を入れているのが特徴のクラウドサービスです。
作成したマニュアルは、 人工知能を活用して20言語以上に対応した自動翻訳で訳出できます。 また、全てのマニュアル・コンテンツ・閲覧できるメンバは、全て同じソフトウェアで管理が可能で、マニュアルの散逸や分散管理が防げるようです。閲覧履歴のメンバ毎・コンテンツ毎の把握、現場・編集者間のメッセージ送受信機能もあり、マニュアルの書き手・読み手がコミュニケーションを取れるように設計されています。

他に、マニュアル作成自体を丸ごとコンサルティングする業態をとるサービスとして、FINTECSがあります。FINTECSでは、企業が現在使っているマニュアルや文書、メモなどを収集したうえで、より良いマニュアル作成のための企画を提案し、ライター・ディレクターを投入して取材し、マニュアルを再作成するサービスを提供しています。

マニュアルサービスの今後はどうなる?働き方改革とマニュアル作成ツールの効果とは

現在、日本企業は、外国人労働者の増加や非正規雇用者の増加、政府が主導する「働き方改革」の奨励にともなう労働時間短縮の要請など新たな労務環境に直面しております。
そのため、日本企業での業務ノウハウの展開・継承は、これまでの「暗黙知」の時間をかけた伝承という形式から、リッチコンテンツも含む分かりやすいマニュアルをベースとした効率的な社員教育という形式に移っていくことと思います。
また、サービスを支える技術の動向をみますと、 クラウドサービスの活用が一般化し、また、スマートフォンやパッド等のモバイルの活用が加速度的に進行しています。 以上のことから、情報の受け手は時間・場所を選ばず、業務上最適なタイミングで、マニュアルコンテンツの視聴が可能になることが今後のトレンドになっていくことでしょう。
さらに、クラウドサービスの特性として、コンテンツの作り手から受け手への一方通行的なコミュニケーションのみならず、コンテンツの受け手(=現場のエキスパート)からコンテンツの作り手(=編集者)への職場の実際のフィードバックが盛んになされるようなサービスが主流になってくるでしょう。
動画・画像等のリッチコンテンツのマニュアルへの活用も、当然視されるようになるでしょう。
しかし、伝統的な文字媒体には文字媒体独自の長所もあります。それは、論理的な説明をするのに優れていることです。
実際にやって見せる・見てもらう・まねてもらう、というのは、一つのノウハウの学び方ではありますが、そこに「なぜそうするのか?」という視点が抜けてしまいがちです。文字媒体による説明は、必然的に「なぜそうするのか?」という説明を伴うことになります。
職場のノウハウは、その背後にあるロジックもあわせて理解されなければ、イレギュラーなパターンに遭遇した時の応用が利かなくなります。そのため、文字媒体によるマニュアルも、一定の範囲で存在意義を保つものと思われます。

 マニュアルの運用は、現場の知恵を十分に踏まえたコンテンツ化、漏れのない周知と実践の徹底、速やかなマニュアルの改善と再周知のサイクルを絶え間なく続けることがポイントです。  皆さまの企業で何らかのマニュアルサービスの導入を検討されるときは、「何を社員に伝えたいのか」「社員にどこまで分かってほしいのか」「現場からのマニュアルに対するフィードバックに対してどう対応するのか」という基本方針を社内で検討されてから、ベンダーに相談されることをお勧めいたします。

 

マニュアルを作成するために欠かせない意識とは

マニュアルの作成は大企業から中小企業まで幅広く欠かせないものであり、業務の生産性向上に欠かせないものになっています。自社で作成することも良いですが、難しい場合やテクノロジーを活用して効率的かつ効果的なマニュアル作りを行いたい場合は、人材育成に欠かせないマニュアルにしっかりと投資をすることも必要です。マニュアル作成に必要なのは何より業務担当者の理解と必要性への認識です。より良い効果を引き起こすには長期的な姿勢をもって投資をしていくことが大切です。ぜひ本記事を参考に自社にあったマニュアルツールやマニュアルサービスを活用し、 人材の育成や経営効率化などの課題を解決し、さらなる業務効率化を目指していきましょう。 

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