マニュアル・新人教育担当者必読!業務マニュアルを簡単に作成する方法とは?

マニュアル・新人教育担当者必読!業務マニュアルを簡単に作成する方法とは?
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業務マニュアルと聞いて皆さんは、あれ?ウチの会社にそんなのあったっけ?と思う方も多いかと思います。単なるルールと定着してしまい、本来向かうべく方向とは違った運用をされたり、自分の仕事はマニュアル化してもケースバイケースが多いからと導入を躊躇したり、どうしても業務マニュアルをマイナスに捉えてしまう人も多いでしょう。しかし、効率よく業務をこなすためには業務マニュアルは大変有効な手段です。働き方改革関連法で生産性向上が謳われる現在、日本企業には積極的な導入が求められています。この状況を解決する手掛かりは「業務の不透明」から「業務の見える化」、いわゆる「属人化」から「標準化」への移行にあります。ここでは「標準化」に有効とされる業務の手引書=業務マニュアルを簡単に作成する方法について解説していきます。

業務マニュアルとは?マニュアルの意義とは何か?

 

その仕事の手順を記載するのが業務マニュアルですが、手順のみを記載しても効率よく、かつ、品質を高めることは難しく、その目的や注意点を盛り込み、蓄積していくことが求められています。総じて現在では「効率/品質/安全などの観点かを踏まえて、その業務に関する標準手順が記載された書面」と言われています。

業務マニュアル作成は業務の見える化?手引書だけではないマニュアルの役割

業務マニュアルとは業務の見える化です。マニュアル化することでその業務の目的、方法(やり方)、目標(最低限どこまでやればOKか)が明確になり、共有がスムーズになり、誰もが同じ品質で業務をこなすことが可能になります。更に、経験者やハイパフォーマーの行動項目や成功事例を項目化したマニュアルがあることで、誰もがその活用でき、従業員能力や組織レベルの底上げや業務効率向上が実現可能です。
業務遂行の「手引書」としての役割だけでなく、人材育成や人事評価にも役立ちます。
「能力開発基本調査」を見ると、能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は 76.8%と調査対象事業所の大半を占め、前回、前々回と増加の一途をたどっています。問題点の内訳ベスト3は、「指導する人材が不足している」(54.4%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(53.5%)、「人材育成を行う時間がない」(47.8%)となっており、採れない/育たない/すぐ辞める人材三重苦がここでも明確に表れています。ここで業務マニュアルを活用することにより、戦力従業員の貴重な時間を育成のために費やす必要がなくなり、ここにバラつきが生じがちな育成法や育成内容にムラが無くなります。
業務マニュアルなしで従業員の評価をしようとすると、評価者の感覚で評価が決まってしまい、被評価者である従業員には多少ならずと不満が残りました。業務マニュアルがあることにより、その目的、目標が明確になった状態が出来る訳ですから、その行動を評価する基準ともなり、評価する側される側双方に納得感のある結果が期待できます。

業務マニュアルの簡単な作り方とは?マニュアル作成のフローをポイントごとに解説

 

前出の評価に関してもそうですが、業務マニュアルを作るポイントは「活用できるようにする」ことです。活用する業務マニュアル作りのポイントを以下8項目にまとめました。

①表現は分かりやすくする

法令や契約書等、表現が一般的ではないとされている書面は、その内容をある程度理解している人が読む前提で作られています。業務マニュアルの活用対象はその内容を理解している人だけとは限りません。故に対象が新人で内容を理解していない前提で作ることが重要です。「最初にAをして、その後Bを実施する。その結果Cになるので、そこにDを加えていく」等の手順と、「もしEの結果が出るようなら再度Bを試す」ような注意事項を中心とした、極力手取り足取りの表現が必要となります。統一感を出すために、「ですます調」なのか「である調」なのか、業界用語を使うのか使わないのか等々の表現のルール決めも重要です。当然「分かりづらい表現」や「混乱しがちな引用」もNGです。

②フローチャートや図を用いる

 

 

人が得る情報の80%から90%は視覚に由来すると言われています。とは言え、業務マニュアルの目的は標準化と見える化。それには前出のように分かりやすい表現も必要となります。でも分かりやすい表現方法は文字による表現だけではありません。図やイラストも分かりやすい表現方法の一つです。むしろ文字よりわかりやすい場面もあります。特に手順はフローチャートなどで視覚的に伝えることで共有度と理解度が上がります。

③業務マニュアルの結果を先に伝える

業務マニュアルはリラックスして読書をする感覚でゆったり読む状況でない人が大抵だと思います。業務マニュアルは各項目それぞれにその項の目的や目標が明記されますので、項目のテーマに沿って「何を伝えたいか」の要点を冒頭に記載します。そうすることによって、バタバタした状況でも自分の今知りたい項目を効率的に理解することが可能です。

④業務マニュアルの目次を作る

「分からないところはとりあえずマニュアル見て!」なんて状況は多々見受けられます。「マニュアルはあるけど、こんな分厚い中でどこを見たらいいんだ!」なんてこともしばしば見受けられます。マニュアル冒頭にある目次はあって然るべきものですが、どこに何があるのかを分かりやすい表現で作ることで効率化を図ります。

⑤業務マニュアルの対象となる業務の範囲を決める

テーマや内容をブレずに作成するために可能な範囲で業務を分けて、分けた業務ごとにマニュアル化します。分けるためには以下の2点を注意します。
<棚卸>
・その業務遂行をする人(マニュアル対象者)は誰か
・対象とする業務内容とそれが実施される時期
・重要な点、一番伝えたい点等、そのマニュアルで到達してほしいこと(目標点)を設定する
<色々詰め込まない>
対象を大きくすると網羅する範囲が広がります。あれもこれも詰め込む必要がでてくるため、結果表現も難しくなり、分かりづらくなりがちです。極論そのマニュアルのためのマニュアルも必要になってきます。

⑥時系列/5w1hを用いる

分かりやすい表現の一つでもありますが、やる順番、着手する順番等を時系列で作成します。フローチャートが良い例ですが、文字のみで表現する時もなるべく自然な流れで出来るような配慮が必要で、5w1h(いつ/どこで/誰が/何を/どうして/どのように)も併用します。

⑦業務マニュアル実装テストを行う

いきなり実装するのではなく、大まかにでも形が出来てきた時点で、実際使う立場になる従業員の方に読んで実行してもらいます。「この表現ではこう捉えられてしまう」とか「この手順の2と3は逆の方がやりやすい」とか、細かい改善点が出てきます。早めにテストを繰り返して、小さなほころびをなくしていくことで、より完璧な業務マニュアルに近づきます。

⑧業務マニュアルのメンテナンスを行い改善していく

時が経てば機械や人間は経年劣化します。業務に関してもその役割や内容は時とともに変化し、当然のごとくやり方も変化します。そこに紐づくマニュアルも改善/更新は非常に重要。作りっぱなしのマニュアルは業務の変化とともに無駄な部分が生じ、だんだん活用されずに、結局元に戻ってしまうことになります。作成時の話ではありませんが、作成時から意識していてほしいのが定期的見直しです。
注意点は分かったけど、実際どんなものを作ればいいのかわからない~という意見もあると思われます。そんな方のために次項ですぐに使える厳選テンプレートをご紹介します。

業務マニュアルは簡単に作成できる!?無料テンプレートやワードで使えるツールも

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マニュアル作りといえば、業務の棚卸をして、書式を作成/修正して内容を記載し、紙で出力して誰でも見れるところに鎮座させてイメージがあります。勿論それも重要ですが、IT環境次第ではもっと便利で効率的な方法もあります。ここでは様々なマニュアル作成サービスを展開しているサイトをご紹介します。

業務マニュアル作成のためのツール① Dojo(ドージョー)

業務マニュアルだけでなくシステムの取説やe-learning教材なども作成可能です。0ベースからスタートできるクラウド型コンテンツサイトで、経費を抑えて作成したい場合におススメします。

業務マニュアル作成のためのテンプレサイト② iTutor(アイチューター)

様々な業種に必要な作業マニュアルなどの作成を簡単に作成するソフトで、
実際に画面上でマニュアル化したい動作を行うだけでマニュアルを作成することが可能です。

業務マニュアル作成のためのツール③ ClipLine

言葉やOJTのみでは伝えられない技術やノウハウをクリップ(短尺動画)作成と作成後のコンサルタントによる導入支援で定着運用までトータルで支援します。簡易的でなく、しっかり作り込みたい、かつ大きな業務改善効果を発揮したい場合に特におススメします。

業務マニュアル作成のためのツール④ siland.jp

ワードが使えれば作成ができるフリーテンプレートのダウンロードサイトです。
社内文章はワードで作成する場面が多いので、汎用性は高いサイトと言えます。

業務マニュアル作成のためのツール⑤ ビズオーシャン

業務マニュアルだけでなく、企業で使用する様々な書式をダウンロード可能なフリーテンプレートサイトです。こちらはエクセルが中心。テンプレごとの人気ランキングなんかもあり、とにかくすぐに使いたい、作りたい人はおススメします。

業務マニュアルの作成においてもっとも重要なこと!新人教育を改善するには

 

業務マニュアルの便利な使い方、簡単な作り方、及び代表的な作成ツールやサイトの紹介をしました。
本来業務マニュアルは、新人等への指導や問い合わせ応対に時間が割かれず、自分の業務に集中できる状態や指揮命令者が不在でも業務が進められる状態を作り、効率よく業務を回すためにあります。
そして冒頭にも記載しましたが、この仕事はあの人がいないとできないやこれはあの社員がフローを考えたからあの人に聞いて等、特定の人が介在することによって業務がストップしてしまうこと=属人化リスクを減らします。
とはいえ、使用する人や場合によって作り方もツールも違ってきますので、まずはお伝えした項目を参考に、どの業務をどうしていきたいか等整理していくことがマニュアルによる新人教育改善の第一歩です。
「業務マニュアルを作成する」となると結構難しく考えてしまいますが、最初から完璧なモノを作って完璧に運用する必要はありません。変化していくものですから、定期的な見直しや改定も必要です。ひとまず、6~7割程度完成辺りで実装して、逐一改定更新していきましょう。マニュアル作成を「業務の標準化と見える化により、従業員の生産性向上を実現するため、一時の振り返り作業と考える」ことも重要です。

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