いまどき新入社員の研修でおさえるべき3つのポイント

いまどき新入社員の研修でおさえるべき3つのポイント
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同じことを何度教えてもうまくできず、失敗ばかり……。新入社員が何を考えているのか、いまひとつ分かりづらいということはないでしょうか。1990年代に生まれた「さとり世代」とも呼ばれるいまどきの新入社員には、時として従来の教え方が通用しない場合もあります。そこで今回は、新入社員教育に必要な3つの要素と、それを取り入れる方法を、研修から現場での実地教育、そして社員の定着率を高めるフォローアップ研修まで見ていきます。

新入社員教育に必要な3つの要素

「なかなか主体的に動いてくれない」「反応が薄くてこちらの話を聞いているのかわからない」など新入社員教育にまつわる悩みは尽きないものです。また、せっかく一生懸命教育をして一人前になったと思ったら、急に辞められてしまう……。そんなことにならないように、新人教育に必要とされる以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

1. 動機づけをする
2. 基本行動を教育する
3. メンターなどのサポート体制を整える

まず、新入社員教育では導入の段階でしっかりと動機づけをしないといけません。そうしないと新入社員は「なぜこんなことをしないといけないのか」と理解できずについてきません。「やりがい」を重視する傾向にある新入社員は、この動機づけがあるかないかで、教育効果がまったく違ってきます。

次に、新入社員に社会人としての常識や規則を理解してもらいましょう。新入社員に年代の近い先輩社員をメンターとしてつけて、しっかりサポートすると先輩社員とのコミュニケーションの取り方も学ぶことができます。細かいことではありますが、学生時代のまま、「~~というやつ」「~~っていうか」という言葉遣いをしてしまう新入社員もいることでしょう。言葉遣いは周囲の人間の印象を大きく左右しますが、癖として身についたもののため修正するのに時間がかかるかもしれません。しかし、サービス業では礼儀正しい言葉遣いが必須です。そこを先輩社員が指摘して修正していくのです。

最後に、サポート体制を整えて新入社員をフォローしてあげましょう。人によっては初めての一人暮らしで生活にも慣れずに仕事についていくので精いっぱいの方もいるでしょう。心に余裕がなさそうだなという新入社員を見かけたら、声をかけてあげて、相談に乗ってあげましょう。それがメンターの役割でもあります。メンターの選出は細かいことに気づくことができ、面倒見の良い方を選ぶと良いでしょう。

では、この3つの要素は具体的にどのように新人教育に活用していくといいでしょうか。実際の教育は大きく分けて3つ。現場へ出る前の「基本研修」と「現場の実地教育」、そして「フォローアップ研修」です。

まずは行いたい基本研修

基本研修はその名の通り、仕事の基本を学ぶ研修です。特に新入社員はつい数ヶ月前までは学生だった人材です。身だしなみから挨拶、言葉使い、動作など基本的なマナーやTPOから教えることが必要になります。

そして、次に教えるのが業務の基本。飲食業であれば始業前準備や店舗のメンテナンス、閉店後の後片付けや戸締り、会計の締めなど基本的な業務の大きな流れを教えます。企業の社会的責任やポリシーなどを教えるのもこの機会を用いるようにしましょう。企業の姿勢を学ぶことで改めて自分が働く動機づけになります。また、この基本研修は他の新卒社員と交流する大切な場になります。一か所に集めるのも良いですし、今の時代ではインターネットのシステムを使い、バーチャルで行う研修を取り入れている企業も増えてきています。

現場での実践教育

基本研修が終われば、次はいよいよ現場での実践教育です。実際の業務では、なかなかマニュアル通りに行かないことも多いもの。お客様への対応が多い現場では仕方がありません。また、研修したことも100%身についているわけではないでしょう。

そこで大切になるのが、先輩社員がそばについて指導することです。業務の内容によっても違ってきますが、最初は先輩社員が全てを行い、見学させる。次に自分で体験させるというステップを踏みます。簡単な業務から少しずつ身につけさせることができるとよいでしょう。間違ってもしていけないのは「見て覚えろ、仕事は盗め」といった方法です。前述の「動機づけ」のためにも、なぜその作業が必要なのか、きちんと言語化して伝えなくてはなりません。

ただ、OJTとも呼ばれるこの方法は、教育のレベルが指導する社員の個人スキルに左右されるというマイナス面が存在します。しかし大切なのは、同じレベルの教育をすべての新人社員に受けさせること。体系化された教育システムをつくることが最も大切な部分です。個々の新人社員が、いまどれくらいのレベルで、何を教わっていて何が未経験かを把握するためにも、紙のマニュアルだけに頼るのではなく、テクノロジーの力を借りる必要が出てくるでしょう。

重要なフォローアップ研修

新入社員の教育で忘れずに行いたいのがフォローアップ研修です。実は、この研修には「日頃の業務の振り返り」「基本的なことの復習」「モチベーションのアップ」という重要なメリットがあるのです。半年や一年など業務に慣れてきたころに実施すると効果的でしょう。

日頃の業務の振り返り

新入社員は覚えることも多く、また日頃の業務に忙殺され、普段の仕事ぶりについて振り返ることができない場合も少なくありません。しっかりと研修という特別な時間で落ち着いて振り返ることで、失敗について振り返ることができますし、よくできたことを振り返ることで自己肯定力が高まります。

基本的なことの復習

業務を続ける内に、基本的なことを知らず知らずに忘れてしまっていることや、手順が抜け落ちてしまっている可能性もあります。特に会社のポリシーからかけ離れて業務行うことがあってはならないものです。場合によっては、挨拶などの基本動作の復習も含めて、企業のポリシーから基本業務について復習させると良いでしょう。

モチベーションのアップ

多店舗展開している企業では、新入社員はばらばらに配属されることも多いもの。悩みを打ち明けることができる同期がいることは少ないことがほとんどです。フォローアップの場で他の同期社員と触れ会うことは、悩みを打ち明けることや、普段行えない貴重な情報交換ができるだけでなく、会社との一体感を高め働くモチベーションアップをする良い場にもなります。また、こうしたモチベーションのアップは結果的に離職率を高めることにも役立つでしょう。

効果的な研修とは何か

仕事を覚えない、考え方が分からない……と思っていた新入社員も「動機づけ」「基本行動の教育」「サポートをしっかり行う」という3つのポイントを抑え、体系づけた教育をすることで、しっかりと仕事の内容を教えることができます。また、マンパワーや時間が限られた状況でも、タブレットなどIT機器を活用することで効果的な研修も可能です。事前研修からフォローアップへと続く一連の研修を通じて新入社員のモチベーションもアップさせてあげましょう。

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