離職率が高い原因は何か?アルバイトの離職率を下げるために取るべき対策

離職率が高い原因は何か?アルバイトの離職率を下げるために取るべき対策
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多店舗展開企業の経営者にとって最も悩ましいのは離職率であることが多いでしょう。日本には1490万人のアルバイト労働者(パート労働者も含む)がいます。彼らのほとんどは短期労働者として数ヶ月や数日単位ですぐに離職してしまいます。彼らアルバイト社員にとって最もつらいことは何でしょうか?それは働いても給料は上がらず、業務内容が肉体的、精神的にも重い負担となり、仕事が嫌になってしまうことではないでしょうか。このような労働環境ではアルバイトはすぐに辞めてしまいますし、新たに求人を募っても、なかなか人は集まらなくなってしまいます。

サービス業における時給の安さは深刻です。時給は10円単位で上がることが多いですが、例え10円上がっても一日5時間勤務で月に20日働いたとしても、年に1000円の昇給にしかなりません。このような給与ではアルバイトのモチベーションは上がらず、すぐに辞めてしまうことでしょう。アルバイトをいくら頑張ったところで給与も上がらず、かといって自分のキャリアになるわけではありませんから、すぐに辞めてしまおうというのが、アルバイター、フリーター、パート従業員など非正規雇用で不安定に働く従業員の本音なのではないでしょうか。
ですから、アルバイトなどの従業員の離職率を下げる最良の策は、給与の向上ですが、これは非常に難しい問題です。いくら現場スタッフ、アルバイトの給与を上昇させようにも、サービス業の一人当たりの生産性は決して高いものとは言えず、なかなか給与に反映させるのは難しいでしょう。現実論としては正社員と同様の給与を支払うことは、アルバイトやパートの生産性をあげる必要があり、これは非常に困難です。世の中のスーパーやファミレス、コンビニやファストフード店など多くのサービス業においてアルバイト従業員は欠かせない存在であり、これらの従業員の給与を一斉に向上させてしまえば、ほぼ全てのサービス産業において経営を行うことは困難になります。
つまり、パートやアルバイトの賃金をできる限り抑えつつ、生産性を向上させ、いかにして離職率を下げるかが鍵となります。

離職率とは?離職率の計算方法と調べ方を解説

離職率という数字が盛んに論じられますが、離職率は正確にはどのような計算式で求められるのでしょうか。もっとも一般的な厚生労働省の定義する離職率の定義によれば、「常用労働者数に対する離職者の割合」と定義します。さらに具体的には、以下の通り計算します。

離職率 = 離職者数/当年1月1日現在の常用労働者数×100(%)

大まかに言えば、年始時点の会社規模を基準に退職者数の割合を測るということで、至極妥当な計算方法かと思います。
さて、この離職率という概念ですが、高いのがいいのか低いのがいいのか、実は議論が分かれるところではあります。ある種の会社では、会社にはある程度の新陳代謝が必要だという理屈で、それなりの離職率を是とする所もあります。甚だしい企業は、成績下位5%以下の社員は強制的に退職勧奨を受諾させる企業すらあります。
一方、多くの日本企業では、余りに回数の多い転職は中途採用の際にネガティブ要素として斟酌されるのが公然の事実ですので、従業員から見れば、「離職率の高い会社(=長くは働かせてもらえないような事情のある会社)」には入りたくない、という思考が働きます。また、一般的な企業からしても、往々新入社員への教育投資の回収が始まるのは入社3,4年後と言われており、最近は年功序列制の崩壊や管理職ポストの削減、働き方改革による残業抑制推進から若手職員の給与を低く抑えることができる時代になっているために、以前よりも低賃金で過去の教育投資の回収をさせようという選好が強くなっているものと考えられます。それ故に、一般的な日本企業も、低い離職率を選好する傾向があります。

アルバイトと離職率の関係とは?離職が高い職場の特徴とは

アルバイトの離職率の問題は、正社員の離職率の問題よりもよりシビアに問題が現れます。なぜならば、アルバイト側に就労先に長く就労するメリットがないため、いとも簡単に離職に踏み切ってしまう一方、雇用主側にはこれを止める法律的な権利は全くありません。また、昨今の人手不足、人材不足のためにアルバイト側は働き先に困ることはありませんから、圧倒的に教育投資を無駄にされ続ける雇用主側に不利な状態が続いているところです。
特に小売、飲食業をはじめとするサービス業においては労働におけるアルバイト、パートなどの短期雇用従業員の割合が非常に大きく、離職率は深刻な問題となります。
研究機関による調査によれば、離職者の22.1%は、就業1ヵ月以内に退職をしています。また、労働者の属性別にみると、高校生29.3%、大学生23.0%、主婦はやや下がって17.5%、フリーターは18.7%ということで、いかにアルバイトやパート従業員の離職率が高いかがわかります。
新人は、仕事のパフォーマンスの点で回りのスタッフには及びませんし、仕事の覚えるまでは熟練スタッフのフォローの工数を必要としますから、職場全体の作業効率は一時的に低下し、入社開始1か月だけを切りとってみれば、全く1人前の働きは期待できません。そういう事情がある中で、アルバイターの早期離職は店舗にとって極めて非効率といえます。新人教育という「投資」には大きな負担がかかる一方で、採用にかかった金銭的コスト、教育にかかった時間的コスト、人手不足によるスタッフのモチベーション低下など、店舗に与える負担には大きなものがあると言えるでしょう。また、離職率は店舗型のアルバイトが多く在籍する企業に多く、アルバイト雇用比率が離職率の高い企業の特徴であると言えます。
アルバイトを雇用する企業にとって、早期離職率は経営に与える打撃が大きく、いかにこの数値を下げるかは昨今の経営課題として重くのしかかってきます。

離職率の高い原因は何か?アルバイトの離職原因をランキングで解説

ある調査では、アルバイト従業員を対象として調査で以下のような理由で離職を検討することがわかっています。

第1位 上司やバイト先の同僚との人間関係の悪化

上司やバイト先の同僚との人間関係の悪化など人間関係を要因とする理由が第1位です。
これは、正社員の場合も同じことが言えるでしょう。多かれ少なかれ、人間関係をスムーズに回すことはどのような職業でも求められます。人間関係を円滑に回し、関係性を良好に築けなくては、仕事を長く続けることは難しいでしょう。

第2位 業務内容がつらい

精神的にも肉体的労働が辛いという場合はあります。サービス業の中でも忙しいとされるファミレスやコンビニにおいては常に立っていなければならず、非常に肉体疲労が蓄積されます。また、倉庫や工場での仕事は一日中立ち歩かなければならず、肉体へのダメージも大きいです。また、単純労働では精神的にもやりがいがなく、不安定になってしまうことも多いでしょう。

第3位 長く働き続ける意味がない

アルバイト従業員の中には正規雇用を目指して労働している人たちが大勢います。そんな彼らの想いも虚しく正規雇用への道がなかなか開かれないことは多いでしょう。そうなると精神的にもやりがいを感じず、肉体への疲弊から短期に離職することもあります。

第4位 自分が思っていた業務内容と違った

これはアルバイト従業員に限らずですが、想定の仕事と異なる場合、早期に退職する事例は多いです。面接や求人広告ではわからなかった業務内容が実際に働いてみると、思っていたものと違うというケースは多くあるようです。

第5位 求人内容に記載の条件と異なる労働環境だった

求人誌に記載してある内容と実際に書いてある職務条件が違った、というケースですね。
このような条件面での不一致は離職率を下げるばかりか、評判を下げることにも繋がりますので、事前にしっかりと伝えることが良いでしょう。

離職率を下げるために必要なこととは?離職率を改善させる新人教育で大切なこと

 

店舗側からすれば、新人アルバイトへの教育に対する投資効果を回収する前に退職をされてしまうことが一番避けたいことになります。離職率を下げるためには採用後1ヶ月以内の離職率を下げることが非常に重要です。
ランキングを踏まえ、離職理由はいくつかの分類に分けることができます。
まず、アルバイト本人に起因する原因。「人間関係がうまくいかない。」「仕事がつらい。」「遊びを優先させたい。」等です。このように本人のモチベーションや気力、能力に起因する問題はなかなか雇用側で改善するのが難しいでしょう。
次に、「仕事内容がキャリア形成に役立たなそう」「求人票の内容とズレがある」「正社員になれるという約束がいつまでも果たされない」といった理由です。このように事前の条件や認識が異なる場合は、入った後に様々なトラブルを招くことがあり、離職する傾向も強いです。まずは条件面や認識を事前にすり合わせ、このようなトラブルの内容にしっかりと話し合いをすることが大切でしょう。
また、「学業との兼ね合いで時間が取れない」「通勤距離の問題がある」「時給が低すぎる」「業務内容が体力的につらい」といった理由もあります。これらは、アルバイト従業員に働く意欲があるものの、その職場で働くことを妨げる障害があって、辞職を考えざるを得ない状況に追い込まれている人たちです。このような意欲のある人たちは店舗側の努力次第で離職を思いとどまることもあり、いかに職場環境を改善し柔軟に対応するかが重要です。人手不足の時代ですから、いかにしてもアルバイト従業員側に寄り添うことが大切です。このような意欲のある人たちには密にコミュニケーションを取り、何が問題で改善すべきかを話し合うことが大切です。互いに本音で話し合い、妥協点を模索することが近年のアルバイト管理では最も大切です。もし店長や現場スタッフでは難しい場合は他の店舗での改善策や本部からの知恵をもらうことも大切です。

離職率を下げる対策を行うには?新入社員をやめさせないために行う教育方法とは

新人教育のこのような改善策を店舗単独で行うのはなかなか難しいものがあります。例えば本部や他の店舗での有用な対策を聞くにしても、うまく事例が共有されコミュニケーションを取るのは難しいというのが実態です。そこである程度の投資を行うことで多くの企業は劇的に離職率を改善させていきました。例えば大企業を中心に店舗型企業で数多く導入されているクラウドOJTツール「ClipLine」では現場と本部をクラウド上でつなぎ、さらに有用な事例などを店舗間で共有することができます。このようなツールを導入することで離職率低下に大きな効果を発揮することが可能となります。実際に「ClipLine」を導入した企業では離職率が大幅に下がったという事例もあり、現在では大小問わず7000店舗以上で導入されています。このように今まではアナログな現場での努力によって防止できた離職も、昨今の人手不足を考え、現場に頼りきりにならず、テクノロジーによる大規模なシステムの導入などを検討することも非常に重要な施策と言えるでしょう。

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